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宵闇
第21章 月影


葉月くんは私を膝に乗せたまま、腕で身体を支えてそのまま完全にベッドの上にあがり、私ごと自分の身体を倒した。
横向きの私は背後から抱き締められる形になる。
私の顔を覗き込むようにして視線を合わせてくる彼が楽しそうに笑うから、私もつられて笑ってしまった。


「琴音────……」


ぎゅうっ、と力が込められる腕。


「好き」


葉月くんが何度も呟きながら私の背中に……うなじに。
肩に、髪に、軽い口づけを何度も落としてくる。


「や……くすぐったいっ」


あはは、と身を捩って笑いながらも、その唇を受け入れる。


やがて、葉月くんの手によって仰向けにされた私は、覆い被さってきた彼と視線を合わせた。
優しくて、甘い──そんな葉月くんの瞳に見つめられ、とろりと身体が緩むのがわかる。


「いっぱい気持ちよくなろう?」


そう言って私の身体を挟んだまま膝立ちになり、シャツを脱ぐ葉月くん。
きれいな身体が露わになり、私の心臓がざわめき出した。

抱き起こされ、彼と向かい合う。
肩に手を置かれ、深く視線を絡ませる。

……葉月くんの、前髪の隙間から覗く目。
私はそれが大好きだった。
そっと手を伸ばし、彼の前髪に触れる。
手を離すと、さらりと揺れた。
何度もそれを繰り返す私の腕が不意に掴まれる。


「何遊んでるの」
 

困ったように笑う葉月くん────。


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