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宵闇
第5章 紅


私はその言葉に、もう逃げられないんだということを理解した。


……このまま先輩に最後までされちゃうんだ。
こんな突然に、そう、なるんだ。


諦めが、私のすべてを襲った。
もう、両手で顔を隠すことしかできなかった。


そんな私の様子に先輩は気づかないのか、気づかないふりをしているのか──私に何の言葉もかけず、指で私のそこを弄り始めた。

全体を撫でられたり、指先で辿られたり。
違和感も、痛みも、唇を噛んで堪えた。


しばらくすると、濡れねーな、という呟きが聞こえ、さっきまでと違うぬるっとした感触がするもので擦られた。


「……っ」


指を舐めたんだろうか。
でも乾いた手でそうされるよりは楽で、身体に入っていた力が少しだけ抜ける。

でも、弄られる違和感は変わらない。
終わるのをただ、待った。待ち続けた。


──やがて、そこにぴりっと走った痛みに、また勝手に身体に力が入る。


先輩が、指がなかへと入れようとしていた。


その痛みと、異物感に強張り続ける身体。
力抜けよ、と先輩が言う。
先輩に、途中でやめる気なんてないことはわかっていた。
従うしかないってことぐらい、もうわかっていた。
だから、息を吐き、必死で身体の力を抜こうと試みる。
途端にぐぐっと、さらに奥に入り込んでくる指。


……しばらく抜き挿しを繰り返された。
私は顔を隠したまま唇を噛んでひたすら耐える。
それしか、私にできることはもうなかったから。


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