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宵闇
第5章 紅
……終わった……?
これでもう終わったんだよね……?
だったらもう早くこれを抜いてほしい。
早く解放してほしい──そう思っていたのに。
なのに先輩は大きく息を吐くと、動くよ、と言った。
「……え……、あっ、や! 痛い……!」
戸惑う間も与えられず動かれ、再び強い痛みが私を襲う。
身を捩って上へと逃れようとする私を先輩は許してくれない。
すぐに引き戻され、また、動かれる。
「やめて……!」
……ねえ、どうして先輩はやめてくれないの?
私、こんなに何度もやめてって言ってるのに。
痛いって何回も言ってるのに────!
「あ、やべ……まじ、きもちいっ」
先輩は荒く息を弾ませて、琴音、と私の名前を何度も呟く。
琴音の中きもちいい、と繰り返す。
私のなかを、ぐっ、ぐっ、と力任せに突きながら。
私の苦痛など気にも止めずに、そんな言葉ばかりを何度も。
「……っ! んっ、く、っう……!」
私は自分の指をぎりっと噛んだ。
痛い。でもその痛みが、今自分の身に起こっている状況を少しでも忘れさせてくれる気がした。
「っは……もう出そ……!」
さらに激しくなる動き。
「んっ、っう……く……!」
噛んだ指に邪魔された、くぐもった声が私の口から漏れる。
お願い早く終わって……!
……お願い────!
……もうそれだけしか、考えられなかった。