この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
宵闇
第2章 兄と妹
同居を始めたものの、父と雪乃さんはまだ籍は入れていない。
四人でしばらく暮らしてみて、それから考えるそうだ。
どうやら、僕たち子供の気持ちを考えてのことらしい。
僕としては、父の再婚はむしろ大歓迎なのだけれど。
雪乃さんは、とてもいい人だ。
僕に対する態度も、近すぎず、遠すぎずで。
ちゃんと僕をひとりの人間として尊重してくれているのがわかり、それがとても心地よい。
琴音ちゃんも最初こそ緊張していたようだったが、日が経つに連れて次第にこの生活に慣れてきたようだった。
ただ、彼女が父親を亡くしたのは、まだ赤ちゃんの頃だったと聞く。
家族に男性がいるという生活に本当に慣れるには、たぶんもう少し時間が必要なのだろうとも思う。