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宵闇
第7章 眩暈


「あ、出る……っ!」


そう言って先輩が動きを止め、身体を震わせた。


立てていた膝を倒して完全に俯せになった私の背中に身体を預けるようにして、耳元で、はあはあと荒い呼吸を繰り返す先輩。


──ねえ。
私って先輩にとって、何?


頭の中でぐるぐると回り続けるその問いは、ずっと消えないでいた。


先輩の部屋に入ると同時に求められる身体。
ほんの少しさわるだけで、すぐに挿れられて……先輩が、達して。


──ねえ先輩。
私って、ただの処理の道具?


考えたくないのに、そうされるたびに沸き上がってきてしまう思い。

先輩の気持ちなんて、もう見えなかった。
好き、って言ってくれたその記憶さえもう、なんだか定かではなくて。
先輩を好きだと思った自分の気持ちにさえ、いつしか自信が持てなくなって。


「気持ちよかった?」


事が終わるといつも聞かれるその内容に、曖昧に頷いては重ねていく嘘────。




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