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宵闇
第7章 眩暈


「いつ向こうに行くの?」


行為のあと、ベッドに横になりながら私は尋ねた。
県外の大学に進学が決まっている先輩は、私に背を向けた状態で服を着ながら、月末かな、と呟く。


「そっか……もうすぐ遠距離になっちゃうんだね」


そう答えながら、正直ほっとしている自分に気づいていた。

だって、遠距離なら身体を重ねる回数も減るから。
それは、こんな想いをすることも少なくなるってことだから。

……そして、そんなふうに考えてしまうのに、先輩とそれでもまだ付き合い続けようと思っている自分にどこか感じる違和感。

けれどこの関係を深く考えることをいつしかやめてしまっていた私は、沸き上がってきたそれを気づかないふりをしてそのまま頭のすみへと追いやった。


行為のあとの気だるさ。
服を着なきゃと思うけど、身体が重い。


──不意に、先輩が振り向いた。


「あのさ……そのことなんだけど」


一瞬の躊躇いのあと続けられた内容に──え? と思わず聞き返す。


……先輩、いま何て言ったの?


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