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宵闇
第7章 眩暈


「だから──俺、遠距離とか無理」


心臓がどきん……と波打ち、そのままうるさく鳴っている。
どういう意味、と口にしたはずだけど、ちゃんと声になったんだろうか──先輩の返事が聞こえない。
けれど、口は動いてる。
その動きが、頭の中に直接言葉となって響いてくるかのように、その意味を、伝えてくる。


「……別れる……?」


聞き返すと、先輩は私に背を向けてベッドに腰掛けた。


「琴音の気持ち……俺やっぱわかんねー」


今度はちゃんと声が耳に届いたけど、落とされた溜め息に、急に胸が苦しくなった。


「してる時もいっつも冷めてただろ」


振り返り、私を見る。
その視線にはもう、好きな相手を見るような類いのものは感じられなかった。


「……そーいうの、男からしたらキツい」


……さっきから先輩に言われている言葉の意味。
すぐに理解できない。
頭がついていかない。

けれどただひとつだけ──私が先輩をまた傷つけていたらしいことだけはわかった。

 
「琴音を俺だけのものにしたかったけどやっぱ無理みてーだし。
いくらやっても、琴音は俺のものだっていう満足感はそんときだけで、またすぐわかんなくなるし。
……それでも好きだから今まで続けてこれたけどさ」


またついた溜め息の後に続けられたのは


「さすがに遠距離は無理。
会えなくなったら、俺もう続けてく自信ない」


そんな、決定的な終わりの言葉────。



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