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宵闇
第7章 眩暈
外に出て感じた肌寒さ。
3月の風はまだ冷たい。
……でも、今の私にはちょうどよかった。
むしろ、もっと冷たくてもいいとさえ思う。
このぐちゃぐちゃな心と、頭を、冷ましたい。
歩きながら、ばかみたい、と呟いていた。
言いたいことは本当はいっぱいある。
私だけが悪いの?
先輩の行動──あのときの無理矢理も、会う度のそれも、私の言動が全ての原因?
冷めた態度、とか。
キツい、とか──って、だってあんなの何回しても気持ちいいなんて思えなかった。
感じてるふりをしたらよかったの?
そうしたら先輩は満たされたの?
……私も、満たされたの?
私が何度先輩を好きだと言っても、そうじゃないと思いこんでる先輩には伝わらなかった。
先輩は私の事を好きだと言ったけど、好きな子にあんな乱暴なこと──あんな、道具扱いみたいなことするの?
……わからない。
私には何にもわからないよ────。