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DIABOLIK LOVERS ~Another~
第2章 生贄の価値
レイジ「それは何故です? まさか、我々が貴女以外の血を吸っているとでも思っているのですか?」
ミズキ「それは否定できない、けど……ただ、生きてる間は少しでも皆の傍に居たい。私の死に方は、おそらく2通り」
レイジ「ほう?」
ミズキ「体の治癒能力が突然消えるか、傷や病気以外の方法で誰かに殺されるか。少し突飛な考えだけど」

自分を抱き締めるライトの手に、そっと自分の手を重ねる。

ライト「ミズキちゃんてば、そんな切なげな顔しちゃって。可愛いよ?」
カナト「まぁ、それもこれも、君がそれだけ価値のある生贄だって事ですよ。嬉しいでしょう? 餌として、捕食者の僕達にこんな大事にされて」
ミズキ「……うん。すごく、すごく嬉しい」

ふんわりと、ミズキは微笑んだ。
その顔は、まるで、最愛の人に愛を伝えられたかのように穏やかで、嬉しさが心から溢れ返っていた。
――――普通の人間には到底理解し得ない、『餌』としての喜び。
ミズキはそれを噛み締めるように、目を閉じてライトの体温を感じる。

レイジ「……ああ、やっと車が来ました」

やがて、7人の前に逆巻家のリムジンが止まった。
全員が乗り込んで走り出すや否や、スバルが隣に座ったミズキに向かってすん、と鼻を鳴らした。

ミズキ「なに、スバル?」
スバル「分かんねぇか? あのヤロー共の胸糞わりぃ臭いがしてムカつくんだよ」
アヤト「そいつは同感だ。あいつらも許せねぇけど、易々と触らせるお前にも罪はあるよな?」
ミズキ「私、にも……?」

スバルとアヤトに責められ、困惑するミズキ。

アヤト「そうだ。俺様の許可なく勝手に他の男に、しかも人間に触られやがった罪だ。罪は償わなきゃいけねぇよな?」

アヤトがミズキの手を掴んだ。

ライト「アヤト君てば、なかなか強引に理由をつけてくれるねぇ」
アヤト「うるせぇ、文句あんのかよ」
ライト「別に? なら僕は、君が必要とする人を再度分からせてあげるよ。ミズキちゃんが必要としてるのは、僕だけだよね? 血を捧げるのも、身を投げ出すのも、心をさらけ出すのだって、僕だけだよね?」
カナト「違います、それは僕でしょう?」

ライトは肩を抱き、カナトは正面からミズキの顔を覗き込んだ。

カナト「僕は君が好きですよ? 従順で大人しくて、可愛い餌です。テディも君が好きだと言っています」
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