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一夜の愛、人との愛
第10章 透明な選択

「か、んしょう?」
「そうです。あなた方が住む地球や、他の惑星、様々な動植物や自然の動きを、私達が管理していることはお伝えしましたね」
「はい」
「管理をする天使は、それぞれ決まっています。そして、管理者のみが入れる部屋が、この建物には幾つもあります」


クレイルが真理亜から目を離し、俯いたままのザレムの黒い羽を見据えた。


「彼は、地球の管理者のみが入れる部屋である"ボーディの間"という場所に、無断で立ち入った。そして、あなた方の住む蒼い星に、1つの地震を起こしました」
「地震?」
「そう、大地が震え、火山が荒れ、時に海原が牙を剥く、あの現象です」
「……」


真理亜は記憶を探る。
そういえば、こんなことになる数日前、確かに海外で酷い地震が起きて、ニュースになっていた気がする。
マグニチュード8.5の、その地震のせいで、倒壊した家屋は約500戸、失われた尊い命は1000人を越えるとも言われていた。日本に津波の影響が無い、と告げていた女性のキャスターの顔も思い出した。


「私達は地球の地盤や生態系の維持のために、意図的に地震を起こします。けれど、彼の仕組んだ地震は、我々の想定外の行為です。そもそも、半人前の天使に、地球に関与する権利は無い」


ザレムは胡座の脚の上に拳を置いたまま、死んだように動かずに2人の会話を聞いている。


「これが、彼の犯した罪の概要です」


「……」


クレイルの言葉に、真理亜は言葉を失った。
この黒い天使は、自分達の住む星に災いをもたらして翼を汚した。
一歩あやまれば、日本が標的になっていたのかもしれない。
ぞっとしながら彼へ視線を移し、真理亜は無意識に口を開く。




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