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一夜の愛、人との愛
第11章 束の間の安寧
どちらかと言えば口数が少なく、自分達に遠慮して喋っていた彼女の一喝は、天使の心にも相当響いたらしかった。
それから数分、彼女が身体を清めて下着を身につけ、シルクのような上下を着て戻るまで、クレイルもチェイスも、一度も下を覗くことは無く、緑の草原に座り込んでいた。
クレイルは真面目な顔で。
そしてチェイスは、どこかバツの悪そうな顔で。
「あの…、もどり、ました」
それはそれで気まずく、ゆるい坂を上がりながら声をかける真理亜も、歯切れが悪い。
だが、そんな彼女の罪悪感を吹き飛ばすかのように、クレイルが立ち上がって突然深く頭を下げた。
その手はチェイスの首ねっこを掴み、無理やり立たせると同じように頭を下げさせている。
「申し訳ありませんでした」
「……えっ、あの」
「私が、きちんと止めていれば、邪魔をすることも無かったのに」
「いや…」
美しい男が自分に詫びるという構図に、真理亜が困ったように胸前に抱えた自分の衣服をぎゅっと握る。
「あの、もう、…大丈夫、ですから」
その一言に、チェイスが、顔を傾けるようにして、真理亜の顔を伺う。
かちあった視線に、真理亜が瞳を瞬かせてから、思わず苦笑した。
「そういうわけには―――」
「許してくれんの?」
クレイルの言葉を遮って、チェイスが真理亜に甘えた声をかけた。
その瞳は、微かに潤んで見えて、小動物が縋りつくようだ。
それから数分、彼女が身体を清めて下着を身につけ、シルクのような上下を着て戻るまで、クレイルもチェイスも、一度も下を覗くことは無く、緑の草原に座り込んでいた。
クレイルは真面目な顔で。
そしてチェイスは、どこかバツの悪そうな顔で。
「あの…、もどり、ました」
それはそれで気まずく、ゆるい坂を上がりながら声をかける真理亜も、歯切れが悪い。
だが、そんな彼女の罪悪感を吹き飛ばすかのように、クレイルが立ち上がって突然深く頭を下げた。
その手はチェイスの首ねっこを掴み、無理やり立たせると同じように頭を下げさせている。
「申し訳ありませんでした」
「……えっ、あの」
「私が、きちんと止めていれば、邪魔をすることも無かったのに」
「いや…」
美しい男が自分に詫びるという構図に、真理亜が困ったように胸前に抱えた自分の衣服をぎゅっと握る。
「あの、もう、…大丈夫、ですから」
その一言に、チェイスが、顔を傾けるようにして、真理亜の顔を伺う。
かちあった視線に、真理亜が瞳を瞬かせてから、思わず苦笑した。
「そういうわけには―――」
「許してくれんの?」
クレイルの言葉を遮って、チェイスが真理亜に甘えた声をかけた。
その瞳は、微かに潤んで見えて、小動物が縋りつくようだ。