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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
息を潜め、じっと動かず、ただ凝視されているだけなのに、その視線に包まれるように、全身を侵す甘さが強まっていく。

(だめ…、なのに……)

流されまいと思う傍から、脚の付け根を弄る指に力が篭もり、気付けば指の根本まで、熱い襞の中に入ってしまった。

これ以上は奥に進めなくなった中指が、熱く蕩けた襞に締め付けられて、窮屈な圧迫感に逆らうように動き出す。

「……ぁ、や、……、やぁっ…」

理性を軽々と裏切っていく素直な身体に、思わず真理亜の唇から拒絶の声が漏れる。

その言葉に、ザレムが静かに瞬いて唇を薄く開いた。

「たまらないな」

「……ふぁ…、あ、…んっ」

たった一言、空間を揺らされただけなのに、低い声の響きに、思わず腰が浮きかけた。

隠したいのに、隠せない。

隠すより、晒していたい。

どんどん熱く上り詰める肉体に、思考が追いつかず、濡れそぼる指が、くちゅっ…と音を立てながら自分の中のいいところを探している。

その指に引っかかり、よれて捻れた下着が、茂みに隠されていた突起にグイと擦れた瞬間、十分火照っていた身体、が不意にびくっと震えて反り返った。

「や…、ぁ……ぁああッ! ……んっ…」

達した瞬間、視界が一瞬真っ白になって、身体がふわりと浮き上がる。

反射的に胸の膨らみを掴んだ指からも、快感の波紋が身体中に広がり、到達の甘さが色濃く長く、続いていく。

熱く脈打つ身体が、くたっと横倒れになり、冷たい岩に身体を預けて動けなくなった。

汗ばむ肌が、纏わりつく着衣に不快感を訴える。

(熱い…)

蜜口に埋め込んだままの指の周り、手首から二の腕までが、汗と、悦楽の涙で湿って煩わしい。

いっそ脱ぎ捨ててしまいたいと思いながら、達した直後の身体には、簡単に力が入らない。


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