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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束

「……ぁ」

熱を逃そうと身体を揺らして、足をしどけなく伸ばしながら仰向けに寝転がる。

みっともない格好だという意識は残っているのに、天を仰いだまま、右手も左手も、服の中から引き抜けない。

「……は、ぁ」

まだ、じんじんと痺れる茂みの中の前の尖りを親指でそっと撫でた。

それだけで、敏感になったままの突起は、足先まで一気に火照らせる熱を産む。

「ん……ッ」

指先で円を描くように動かすと、一度解放したはずの熱い感覚が、また腰の奥からじんじんと沸き上がってくる。

容赦ない甘い感覚は、どこか苦しくて切なくて、処理しきれずに、持て余してしまう。

最初は微熱混じりだった快楽が、今では火傷するような強い刺激に変わっていた。

それでも、悦楽を認めたくなくて、真理亜は無意識に小さく頭を振った。

いつの間にか目尻に滲んでいた涙が、一筋、黒い岩肌に落ちた。

その雫を目に止めて、ザレムが獲物を認識した獣のように瞳を細める。

口端を舐めて、にやりと笑うと、凶暴な欲求に突き動かされるまま唇を開く。

「まだ、足りないか」

「……ぁ」

「止まらないんだろ?」

低い声に鼓膜を震わされて、思わず目を閉じるも、下着の中で動く右手は汗ばんだまま止められない。

達した瞬間に止まりかけた左手は、再び胸の膨らみに指を引っ掛け、白い半球体の形を変えている。

自分の体が、自分のものじゃなくなってしまったようで、不安にかられた真理亜の瞳から新たな涙が零れた。

その様子に、ザレムの目が細く眇(すが)められる。

「辛いか」

「ふ、……んんっ」

「何を、そんなに恐れてる」

マリア。

名前を呼ばれただけで、真理亜の身体が小さく痙攣した。

(融けそう……)

熱くて、気持ちよくて、ぬるぬるして、意識が飛びそうだ。

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