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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
こんなのおかしいと思う傍から、身体中を包む心地よさに、真理亜は呼吸もままならなくなりかける。

「……ぁ、つい…ッ」

「どこが」

「ぜん、ぶ……ッ、…んッ」

上の空で答える真理亜が、岩の上で身体を微かによじる、

その姿に、ザレムの声が一層低くなった。

「起きろ。手伝ってやる」

「……ぁ、あッ」

「早く、しろ。その熱、散らしてやるから」

「っ……んぁ、ぁ…」

上質なナイトウェアの中で、真理亜の指が、ねっとりと動き続けているのを、ザレムはじっと見ていた。

例え目を閉じたって分かる。

指先が茂みの中の突起に、愛液を絡ませては、何度も円を描くように刺激している。

その音、その匂いが、ひっきりなしにザレムの情欲を刺激しては、腰で暴れたがっている欲望の炎に油を注いでくる。

(来いよ、ここに)

「……っん」

たどたどしく身体を起こし、四つん這いになる真理亜の動きを視線で撫でる。

濡れた指を、服から引き抜き、冷たい岩に付いた彼女に、天使の口端がいやらしく上がった。

「そこで脱げ」

「……ぇ」

「上も下も、全部だ」

「あ…、だっ、て……」

「何してる。熱いんだろ?」

微かないらだちの混じるザレムの声に、真理亜が一瞬、身体を震わせる。

けれど、その震えさえ、甘く濡れた身体には、心地よすぎる振動だ。

瞬時に表情に浮かんだ快感の色は、真理亜が息を飲んで隠したつもりでも、ザレムの鋭い眼光からは逃げ切れていない。

(じゃあ…)

上着を右手で掴んだまま、わずかに残る恥じらいと戦う真理亜の様子に、ザレムが片眉を持ち上げてから、赤い唇を開いた。
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