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一夜の愛、人との愛
第2章 朝8時のハプニング

その違和感に、真理亜は思わず自由な首を横に向けようとした。
揺れる満員電車で、プリーツスカート越しに何かが太腿に触れた気がしたのだ。
しかし、乗車口の端にピタリと押し付けられた彼女は、顔を僅かに斜めに動かすことしか出来ない。
(気のせい? よね?)
真理亜は一瞬顔をしかめて、座席の壁になっている斜めの板に顎を乗せた。
そのまま、少し考えてみるも、何となく周りの視線を感じて、真理亜は顎を引き、再び扉側を向いて、目を閉じた。
つり革を持っていた人の視線を感じたのも去ることながら、もしも端席の人が、何かあって網棚でも見上げれば、真横の壁ごしに、自分の生首が見えることになってしまうことにも気付いたのだ。
(流石に、生首みたいに見えるのは、イヤだよね)
自分の妙な姿勢を顧みて小さく笑いながら、左頬を冷たい手すりに押し当てた。
ほてった体に、ひんやりした刺激が心地よい。
しかし、真理亜が顔を乗客から見えない方向へ逸らしたことに、
背後で笑みをもらした存在がいることに、真理亜は気付いていなかった。
揺れる満員電車で、プリーツスカート越しに何かが太腿に触れた気がしたのだ。
しかし、乗車口の端にピタリと押し付けられた彼女は、顔を僅かに斜めに動かすことしか出来ない。
(気のせい? よね?)
真理亜は一瞬顔をしかめて、座席の壁になっている斜めの板に顎を乗せた。
そのまま、少し考えてみるも、何となく周りの視線を感じて、真理亜は顎を引き、再び扉側を向いて、目を閉じた。
つり革を持っていた人の視線を感じたのも去ることながら、もしも端席の人が、何かあって網棚でも見上げれば、真横の壁ごしに、自分の生首が見えることになってしまうことにも気付いたのだ。
(流石に、生首みたいに見えるのは、イヤだよね)
自分の妙な姿勢を顧みて小さく笑いながら、左頬を冷たい手すりに押し当てた。
ほてった体に、ひんやりした刺激が心地よい。
しかし、真理亜が顔を乗客から見えない方向へ逸らしたことに、
背後で笑みをもらした存在がいることに、真理亜は気付いていなかった。

