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一夜の愛、人との愛
第14章 求められる決断
「夢物語だと思ってたイザヤの実が、本当にあるなんてな」
強い金色の瞳は、神聖な天使を凝視している。
「裁きの森は、天使禁制の場所じゃねーのかよ」
「厳密には、貴方は天使では無い」
「……」
「それに、裁きの森がどんな場所か、天使の端くれでもあった者ならば知っているはず」
ゆっくりと、伏せていた視線を持ち上げたイエナリアが、ザレムと視線を絡める。
「その森に、人間の女を連れて行きますか? 穢れよ」
会話の矛先が不意に自分に向いたことに驚き、真理亜がザレムへ顔を向けた。
「……」
ザレムはイエナリアの言葉に、沈黙している。
その横顔は、真剣味を増し、どこか恐いほど精悍だ。
唇を噛み締めて、言葉を失った姿は、何かに迷っているようにも見える。
(なんで…)
躊躇う理由が、真理亜には分からない。
けれど、ザレムが口を開かない以上、勝手に会話に入り込むことは憚られ、真理亜も今は、言葉を挟むことを避けた。
そうして、言葉を失う2人の前で、イエナリアが僅かに微笑む。
「きちんとオンサラスの講義を受けたのですね。"裁きの森"を、理解しているならば、貴方にも判断がつくでしょう」
イエナリアは、静かに穢れた天使へ告げると、その視線を真理亜へ戻す。
強い金色の瞳は、神聖な天使を凝視している。
「裁きの森は、天使禁制の場所じゃねーのかよ」
「厳密には、貴方は天使では無い」
「……」
「それに、裁きの森がどんな場所か、天使の端くれでもあった者ならば知っているはず」
ゆっくりと、伏せていた視線を持ち上げたイエナリアが、ザレムと視線を絡める。
「その森に、人間の女を連れて行きますか? 穢れよ」
会話の矛先が不意に自分に向いたことに驚き、真理亜がザレムへ顔を向けた。
「……」
ザレムはイエナリアの言葉に、沈黙している。
その横顔は、真剣味を増し、どこか恐いほど精悍だ。
唇を噛み締めて、言葉を失った姿は、何かに迷っているようにも見える。
(なんで…)
躊躇う理由が、真理亜には分からない。
けれど、ザレムが口を開かない以上、勝手に会話に入り込むことは憚られ、真理亜も今は、言葉を挟むことを避けた。
そうして、言葉を失う2人の前で、イエナリアが僅かに微笑む。
「きちんとオンサラスの講義を受けたのですね。"裁きの森"を、理解しているならば、貴方にも判断がつくでしょう」
イエナリアは、静かに穢れた天使へ告げると、その視線を真理亜へ戻す。