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一夜の愛、人との愛
第14章 求められる決断
小さく唇を噛むも、これは終わりのない旅でもなく、与えられた罰でもなく、あくまで”試練”なのだから、と目を閉じる。
きっかり3秒、瞼を伏せてから、真理亜は目を開けると隣に手を伸ばした。
指先が触れるよりも前に、男の温かい手が彼女の手を握りこむ。
「……」
ザレムの横顔を見上げた真理亜の視界に、黄色からオレンジ色へ、ゆったりと変わっていく空の色が、上方の窓から見えた。
美しい橙色は、これから起こる朝焼けにも夕焼けにも見えて、どこか穏やかでのどかな気配を感じさせる。
(きっと、大丈夫)
静かな想いを胸に抱いた真理亜の耳に、ポンッと何かの蓋を開ける小気味よい音が響いた。
見れば、クレイルが細長い小瓶を手に、穏やかな表情で2人を見ていた。
「2人共、必ずエデンに戻るように」
告げたクレイルが、噴水に何かの液体を入れた瞬間だった。
真理亜とザレムの視界を、真っ白な霧が覆い、一瞬で身体中が白い靄に包み込まれた。
きっかり3秒、瞼を伏せてから、真理亜は目を開けると隣に手を伸ばした。
指先が触れるよりも前に、男の温かい手が彼女の手を握りこむ。
「……」
ザレムの横顔を見上げた真理亜の視界に、黄色からオレンジ色へ、ゆったりと変わっていく空の色が、上方の窓から見えた。
美しい橙色は、これから起こる朝焼けにも夕焼けにも見えて、どこか穏やかでのどかな気配を感じさせる。
(きっと、大丈夫)
静かな想いを胸に抱いた真理亜の耳に、ポンッと何かの蓋を開ける小気味よい音が響いた。
見れば、クレイルが細長い小瓶を手に、穏やかな表情で2人を見ていた。
「2人共、必ずエデンに戻るように」
告げたクレイルが、噴水に何かの液体を入れた瞬間だった。
真理亜とザレムの視界を、真っ白な霧が覆い、一瞬で身体中が白い靄に包み込まれた。