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一夜の愛、人との愛
第17章 感知
真横に飛ばされた雪豹だったが、地面の木の葉を滑らせると、ズザッと音を立てながら片手と片足で身体を支え、倒れることは免れていた。
その瞳は、先程まで遊んでいた獲物の前に立つ、黒い獣を睨みつけている。
睨み合う獣の様子に、恐る恐る身体を起こした真理亜は、身体を丸くしながら自分を助けてくれた獣を見た。
(犬?)
真理亜から見える後ろ姿は、子供の頃、隣の家で買われていた黒い雑種の犬に似ていた。
だが、犬にしては、骨格が太く見える。
やや大きめの中型犬のようだが、脚の太さは大型犬に近い、がっしりとした様子だ。
その黒い獣は、真理亜と獣人の間に入り、雪豹を見上げながら小さく唸り声をあげていた。
低い牽制の声に、雪豹の耳が何か伺うように動いている。
「俺のテリトリーに入るなんて、いい度胸だな。……おい、狼。そこの女は、俺の獲物だ」
雪豹の言葉に、獣の毛が薄っすら逆立つ。
「ハイエナみたいな真似すんなよ。生意気な獣め」
男の言葉にも棘が混じり、言われた狼の鼻にグッと皺が寄った。
直後、互いに地面を蹴り合うと、二匹の獣がぶつかった。
その瞳は、先程まで遊んでいた獲物の前に立つ、黒い獣を睨みつけている。
睨み合う獣の様子に、恐る恐る身体を起こした真理亜は、身体を丸くしながら自分を助けてくれた獣を見た。
(犬?)
真理亜から見える後ろ姿は、子供の頃、隣の家で買われていた黒い雑種の犬に似ていた。
だが、犬にしては、骨格が太く見える。
やや大きめの中型犬のようだが、脚の太さは大型犬に近い、がっしりとした様子だ。
その黒い獣は、真理亜と獣人の間に入り、雪豹を見上げながら小さく唸り声をあげていた。
低い牽制の声に、雪豹の耳が何か伺うように動いている。
「俺のテリトリーに入るなんて、いい度胸だな。……おい、狼。そこの女は、俺の獲物だ」
雪豹の言葉に、獣の毛が薄っすら逆立つ。
「ハイエナみたいな真似すんなよ。生意気な獣め」
男の言葉にも棘が混じり、言われた狼の鼻にグッと皺が寄った。
直後、互いに地面を蹴り合うと、二匹の獣がぶつかった。