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一夜の愛、人との愛
第17章 感知
と―――。
真理亜の膝に寄り掛かる、獣の重さが、ぐっと増した。
伏し目がちに彼を落ち着かせていた真理亜が、吸い寄せられるように視線を向ける。
「あ…」
その変化は、前触れも無く、突然だった。
黒い獣の、前足と後ろ足がぐっと伸びると共に、身をまとっていた毛皮が薄れ、その顔が、黒髪の見覚えのある男の横顔に変わっていく。
驚いて手を引く真理亜の目の前で、傷のあった腹からも黒い毛が消えていき、引き締まった腹筋が見えると共に、斜めにザックリと赤い傷が露わになる。その皮膚からは、じわりと血が滲み、緑の地面を赤黒く染める。
反射的に掌で止血しようとするも―――、
「ッ、……」
咄嗟に、真理亜は視線を逸らした。
黒い狼は、確かにザレムの姿に戻ったものの、その体には一切の衣服を身につけていないのだ。
剥き出しの背中には縦に2本の筋があるが、そこに羽は無い。
両足を曲げて、胎児のような格好になっているせいで下半身は見えないものの、大人の男の裸が自分の膝を枕に横たわっていれば、流石に目のやり場に困る。
真理亜の膝に寄り掛かる、獣の重さが、ぐっと増した。
伏し目がちに彼を落ち着かせていた真理亜が、吸い寄せられるように視線を向ける。
「あ…」
その変化は、前触れも無く、突然だった。
黒い獣の、前足と後ろ足がぐっと伸びると共に、身をまとっていた毛皮が薄れ、その顔が、黒髪の見覚えのある男の横顔に変わっていく。
驚いて手を引く真理亜の目の前で、傷のあった腹からも黒い毛が消えていき、引き締まった腹筋が見えると共に、斜めにザックリと赤い傷が露わになる。その皮膚からは、じわりと血が滲み、緑の地面を赤黒く染める。
反射的に掌で止血しようとするも―――、
「ッ、……」
咄嗟に、真理亜は視線を逸らした。
黒い狼は、確かにザレムの姿に戻ったものの、その体には一切の衣服を身につけていないのだ。
剥き出しの背中には縦に2本の筋があるが、そこに羽は無い。
両足を曲げて、胎児のような格好になっているせいで下半身は見えないものの、大人の男の裸が自分の膝を枕に横たわっていれば、流石に目のやり場に困る。