この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜の愛、人との愛
第1章 深夜2時のプロローグ
(え…、なんで…)
体が動かない。
男が、頭上に束ねた両手首から片手を離しても、口元を覆う掌を頬へ這わしても、真理亜の体は指を動かすどころか、声さえ出なかった。
(なに、これ…)
恐怖に息だけが微かに荒くなる。それでも、体は震えることも無かった。
「あーあ、こうすると、つまんねーんだよな」
乱暴な口調で呟いてから、男は少し考えて、上体を起こす。
仰向けで横たわる真理亜の腰を両膝で跨ぎ、膝立ちになると、闇の中で赤い唇が開いた。
「お前、名前は?」
「…真理亜」
「ふーん」
(…うそ、どうして)
真理亜の意志とは関係なく、勝手に言葉が紡がれる。
男は、闇の中で笑ったようだった。
自由が利かない真理亜の焦りをよそに、低く蠱惑的な声が彼女の視神経に釘をさす。
「いいか、マリア。
叫んだら殺す。逃げても殺す。抵抗しても殺す。分かったな?」
体が動かない。
男が、頭上に束ねた両手首から片手を離しても、口元を覆う掌を頬へ這わしても、真理亜の体は指を動かすどころか、声さえ出なかった。
(なに、これ…)
恐怖に息だけが微かに荒くなる。それでも、体は震えることも無かった。
「あーあ、こうすると、つまんねーんだよな」
乱暴な口調で呟いてから、男は少し考えて、上体を起こす。
仰向けで横たわる真理亜の腰を両膝で跨ぎ、膝立ちになると、闇の中で赤い唇が開いた。
「お前、名前は?」
「…真理亜」
「ふーん」
(…うそ、どうして)
真理亜の意志とは関係なく、勝手に言葉が紡がれる。
男は、闇の中で笑ったようだった。
自由が利かない真理亜の焦りをよそに、低く蠱惑的な声が彼女の視神経に釘をさす。
「いいか、マリア。
叫んだら殺す。逃げても殺す。抵抗しても殺す。分かったな?」