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一夜の愛、人との愛
第5章 白亜の建物
ふっと力を抜いた表情で、天使が微笑む。
その優雅な雰囲気に、真理亜は咄嗟に下を向いてしまった。
(これは、体に悪い・・・)
天使の世界にイケメンという単語があるかは知らないが、無自覚に漏れる色気が、ダイレクトに体に響く。
「マリアさん?」
「あ、あの。こ、ここは?」
誤魔化そうと早口で尋ねると声が軽く裏返った。
コーラルは軽く眉を持ち上げただけで、穏やかな表情に戻ると、視線をテラスへ向ける。
「ここは、エデン。人間の世界では、”異世界”と呼ばれる空間です」
カーテンが風でそよぐと、丸椅子で眠っていた動物が、ピクリと動く。
真っ白い獣は、静かに目を開けると、ルビーのような瞳を何度か瞬かせて、なめらかな動きで開いたガラス扉の隙間から外へと出て行った。
「私達は、天使と呼ばれる種族です。説明するのは難しいですが、主に、地球や、他の空間の生態系を見守ることを使命としています」
「他の空間?」
「えぇ。あなたの住む地球以外にも、様々な生き物が生きている空間や惑星があります。私達は、そういった空間で起こる事象を見守り、最低限の関与をすることで、種の存続を見守っているのです」
「へぇ・・・」
視線を戻すコーラルの背中で、羽が呼吸に合わせて動いた。
真っ白い羽だ。
あの男とは違い、うっすら光っているようにも見える。
「じゃあ、あの男は、・・・悪魔?」
真理亜の問いに、コーラルは逡巡してから、小さく溜息をつき首を振った。
その優雅な雰囲気に、真理亜は咄嗟に下を向いてしまった。
(これは、体に悪い・・・)
天使の世界にイケメンという単語があるかは知らないが、無自覚に漏れる色気が、ダイレクトに体に響く。
「マリアさん?」
「あ、あの。こ、ここは?」
誤魔化そうと早口で尋ねると声が軽く裏返った。
コーラルは軽く眉を持ち上げただけで、穏やかな表情に戻ると、視線をテラスへ向ける。
「ここは、エデン。人間の世界では、”異世界”と呼ばれる空間です」
カーテンが風でそよぐと、丸椅子で眠っていた動物が、ピクリと動く。
真っ白い獣は、静かに目を開けると、ルビーのような瞳を何度か瞬かせて、なめらかな動きで開いたガラス扉の隙間から外へと出て行った。
「私達は、天使と呼ばれる種族です。説明するのは難しいですが、主に、地球や、他の空間の生態系を見守ることを使命としています」
「他の空間?」
「えぇ。あなたの住む地球以外にも、様々な生き物が生きている空間や惑星があります。私達は、そういった空間で起こる事象を見守り、最低限の関与をすることで、種の存続を見守っているのです」
「へぇ・・・」
視線を戻すコーラルの背中で、羽が呼吸に合わせて動いた。
真っ白い羽だ。
あの男とは違い、うっすら光っているようにも見える。
「じゃあ、あの男は、・・・悪魔?」
真理亜の問いに、コーラルは逡巡してから、小さく溜息をつき首を振った。