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一夜の愛、人との愛
第5章 白亜の建物
一人になると、自然と力が抜けてソファに沈み込む。
「あー」
背もたれに後頭部を預けると、無意識に声が漏れた。
見上げた天井も、室内や建物同様、大理石に似た白い光沢のある質感だ。
青いシャツにグレーのスカートの自分は、この白基調の部屋の中で、どこか浮いているような気がする。
(ストッキングは、穴も空いてるし)
顔を上げると、自分の右足を見て苦笑する。
その足に白い何かが絡みつく。
「あれ?」
先程まで丸椅子に座っていた胴長の動物だ。
良く見ると耳が細長く、兎のようにも見える。
真理亜の足首に顔を擦り寄せると、つぶらな瞳が真理亜を見上げた。
(可愛い・・・)
思わず表情を緩めた彼女を見て、その動物がソファに飛び乗った。
そのまま、膝の上に乗って丸くなる。
(抱いても、平気、かな?)
そっと両手で抱え上げると、真理亜の胸に顔を埋めて、動物は目を閉じた。
柔らかい毛並みと、温かい手触りが心地よい。
視界の端で、カーテンが手招きするように風に揺れた。
小動物を抱いたまま、真理亜はそっと立上り、テラスに出てみた。
「あー」
背もたれに後頭部を預けると、無意識に声が漏れた。
見上げた天井も、室内や建物同様、大理石に似た白い光沢のある質感だ。
青いシャツにグレーのスカートの自分は、この白基調の部屋の中で、どこか浮いているような気がする。
(ストッキングは、穴も空いてるし)
顔を上げると、自分の右足を見て苦笑する。
その足に白い何かが絡みつく。
「あれ?」
先程まで丸椅子に座っていた胴長の動物だ。
良く見ると耳が細長く、兎のようにも見える。
真理亜の足首に顔を擦り寄せると、つぶらな瞳が真理亜を見上げた。
(可愛い・・・)
思わず表情を緩めた彼女を見て、その動物がソファに飛び乗った。
そのまま、膝の上に乗って丸くなる。
(抱いても、平気、かな?)
そっと両手で抱え上げると、真理亜の胸に顔を埋めて、動物は目を閉じた。
柔らかい毛並みと、温かい手触りが心地よい。
視界の端で、カーテンが手招きするように風に揺れた。
小動物を抱いたまま、真理亜はそっと立上り、テラスに出てみた。