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一夜の愛、人との愛
第8章 銀の鎖

地上へ戻った真理亜は、クレイルの自室に招待された。
コーラルの部屋に戻りにくかった彼女には有り難い申し出ではあったものの、下着を身につけていないため、その心もとない感覚が落ち着かない。
天使は、だが、そんな彼女の言い分は気にも留めず、彼女を抱き上げると吹き抜けの建物を4階の欄干まで飛んだ。
美しい白い石の廊下に彼女を降ろすと、複雑なモザイク模様が施された白い扉を押し開ける。
コーラルの部屋よりも広く、白の中に所々青い小物が置かれた部屋で、彼女は大の男が2人で寝ても、まだ余るのでは無いかというキングサイズの寝台に座っていた。
テラスの外の空が、群青色を通り越して黒になりかけている。
スカートの下を気にして、コーラルの部屋から盗んできてしまったシーツを腰から下に纏わせる真理亜に、クレイルは特に何を言うわけでもなく、少し離れた書き物机に座っている。
部屋に入ってから翼を背中にしまった彼は、天使というより、異国の学者のような雰囲気だ。
飴色のカバーのついた本を手にし、長い指でページを捲る様子を見ながら、真理亜は、どこか落ち着けずにいた。
そんな彼女の様子に気付いたのか、暫くして、クレイルが本に栞を挟み、椅子ごと真理亜へ体を向けた。
「眠れませんか?」
「・・・あ、ごめんなさい」
「あいつに聞いたでしょう? 羽が生え変わっていない天使にとって、貴方は、この世で最高に美味しい果実のようなものです。今夜は、ここで眠るのが安全です」
「はい・・・」
分かっているものの、何故か気持ちが昂ぶっている。
「本当は、貴方を塔の上にある部屋にお連れしたかったのですが、何故か許可が降りなかった。私の部屋では、安心できないかもしれませんが、寛いで頂いて構いません」
小さく頷いた彼女から、ふっと、クレイルが扉に視線を流した。
一度椅子から立ち上がり、クレイルが扉を開く。
一瞬扉の影に見えなくなった彼は、扉を締めて部屋に戻れば、真理亜の傍へ歩み寄った。
「どうぞ」
差し出された白い布の包みを受け取り、真理亜はクレイルを見上げる。
綺麗な笑みを向けてから自分に背を向け、椅子に戻るクレイルに、真理亜は包みを開けてみた。
コーラルの部屋に戻りにくかった彼女には有り難い申し出ではあったものの、下着を身につけていないため、その心もとない感覚が落ち着かない。
天使は、だが、そんな彼女の言い分は気にも留めず、彼女を抱き上げると吹き抜けの建物を4階の欄干まで飛んだ。
美しい白い石の廊下に彼女を降ろすと、複雑なモザイク模様が施された白い扉を押し開ける。
コーラルの部屋よりも広く、白の中に所々青い小物が置かれた部屋で、彼女は大の男が2人で寝ても、まだ余るのでは無いかというキングサイズの寝台に座っていた。
テラスの外の空が、群青色を通り越して黒になりかけている。
スカートの下を気にして、コーラルの部屋から盗んできてしまったシーツを腰から下に纏わせる真理亜に、クレイルは特に何を言うわけでもなく、少し離れた書き物机に座っている。
部屋に入ってから翼を背中にしまった彼は、天使というより、異国の学者のような雰囲気だ。
飴色のカバーのついた本を手にし、長い指でページを捲る様子を見ながら、真理亜は、どこか落ち着けずにいた。
そんな彼女の様子に気付いたのか、暫くして、クレイルが本に栞を挟み、椅子ごと真理亜へ体を向けた。
「眠れませんか?」
「・・・あ、ごめんなさい」
「あいつに聞いたでしょう? 羽が生え変わっていない天使にとって、貴方は、この世で最高に美味しい果実のようなものです。今夜は、ここで眠るのが安全です」
「はい・・・」
分かっているものの、何故か気持ちが昂ぶっている。
「本当は、貴方を塔の上にある部屋にお連れしたかったのですが、何故か許可が降りなかった。私の部屋では、安心できないかもしれませんが、寛いで頂いて構いません」
小さく頷いた彼女から、ふっと、クレイルが扉に視線を流した。
一度椅子から立ち上がり、クレイルが扉を開く。
一瞬扉の影に見えなくなった彼は、扉を締めて部屋に戻れば、真理亜の傍へ歩み寄った。
「どうぞ」
差し出された白い布の包みを受け取り、真理亜はクレイルを見上げる。
綺麗な笑みを向けてから自分に背を向け、椅子に戻るクレイルに、真理亜は包みを開けてみた。

