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一夜の愛、人との愛
第8章 銀の鎖

「ンッ・・・」
男の冷たい指先に、真理亜の身体が戦慄く。
まるで自分の体が熱で溶けてしまうかのように、こころもとない。
お腹の奥がジン・・・と響くのを感じる。酷く熱く響く。
「やめ、て・・・」
相手の指先から逃れようと、左足を引き寄せるも、内股を擦り合わせてしまった、その感覚に身体が跳ねた。
陸に無理やり引き上げられた魚のようだ。
眉を寄せ、断続的に訪れる熱い波をやりこめようと右手がシーツに爪を立てる。
身に纏う衣服を全て脱ぎたい衝動に、真理亜は顔を枕へ埋めた。
「あまり無理をしない方が良い」
男の指が真理亜のスカートのホックを捕える。
ハッとして顔を上げると、自分の髪が首を流れる感覚にさえ肌が粟立った。
皮膚が、灼ける。
「お、ねがいッ」
スカートを外そうとする男の指を、真理亜が片手で止めた。
力の入らない、その指を掬い上げて、男は彼女の指先に口付けた。
「あ・・・ッ」
「身体が熱いのでしょう?」
「ん、っ」
指先に唇を押し当てたまま、クレイルが尋ねる。
その吐息にさえ、身体が震える。
自分の足が触れ合う感覚も辛さに変化し、真理亜は身体を捩った。
仰向けに寝転がり、何とか男の顔を見上げる。
濡れた眼差しと、薄っすら開いた唇、荒い呼吸に合わせて上下する胸元が、艶かしい。
「なるほど。確かに、これは刺激が強い」
穏やかに呟きながらも、男は彼女の手を解放すると、平然と青いシャツのボタンに手をかけた。
真理亜がクレイルの動きに眉をよせ、その手首を触るが、力の緩んだ指先は、返って男の手に縋るようにしか見えない。
「あ、……ぁッ」
シャツのボタンを上から外し、クレイルは彼女の胸元を開いた。
一瞬、冷たい空気が肌に触れ、真理亜がキュッと目を閉じる。
体中の血液を煮沸されている感覚に、背中が大きく逸った。

