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第5章 美奈の覚悟

今更何を言っているんだろう。
あんなことしておいて。
男性恐怖症にでもなったらどうしてくれるんだ。
…思うことはいろいろあったが、解放された現実に安堵して、未奈はなかなか涙を止めることができなかった。
「ごめん…」
きょうすけは触れていいものか戸惑いながら、未奈の頭に手をやった。
未奈の体はビクッと強張ったが、拒絶することはしなかった。
きょうすけは申し訳ない気持ちを込めて、優しくいたわるようにその頭を撫でた。
長い沈黙が続いた。

そして、その沈黙を先に破ったのは未奈だった。