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微かな光
第1章 自殺サイトで知り合い
すっかり陽が昇りきり、明るい早朝に住宅地から生活音が洩れてくる

子供を起こす母親の声

いってきまぁすと独り言のように家に呟き出ていくスーツの人

ゴミ出しをする女性と目が合った

汗が滲み、マラソンをするには相応しくない装いの少女を訝しげに見る

明美は気にも留めず、視線を外すと住宅街を抜けていく

約束の場所は目前だった

明美は住宅地の先の坂の上に佇むマンションを見上げ大きく深呼吸した

怖いものなんてない

もし万が一騙されていたとしてもどうにかして死を選びたい

むしろ殺害されるなら好都合とさえ考えていた

今までの歩調とは違ってゆっくりとマンションの駐車場を目指す

明美は時計を持ってはいない

約束の時間がいつか、知るすべが今はなく遅れていないことを願った
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