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淫乱高校生
第6章 月

無言でどんどん進んでいく男に警戒心を抱くべきなのだろうけど、藍はそんなのちっとも思わなかった
なんなら気軽に話しかけるという天真爛漫さ
「あの、名前なんて言うんですか?」
「ない」
「え、ない?ないんですか?太郎とか二郎とかなんか名前ないんですかっ?」
「……ない。特に必要ない」
「んーそうなんですか…あ、おいくつなんですか?」
「忘れた。多分50は過ぎてる」
「忘れたっ?!んーじゃあ、50でっ!あ、二郎さんって呼びますねっ!」
「………」
どうでもいいというように無言で返されたが、藍からしたらそんな反応でも嬉しかった
昔からパパの言い付けであまり身内と学校の人間以外は関われなかったから嬉しいな!人って優しいなー!
そんな事を思って胸をじーんとさせていると、男がビルの入口の前で立ち止まった
「二郎さん?どうしたんですか?」
「ここ入って裏口から出た方が近い」
「あ、近道ですねっ!」
もう使われてない古びたビルの扉を二郎さんが開ける。ギギギッと開いた先は真っ暗だ
先に入る様に促されたから足を踏み入れると埃くささで鼻が痛い
「二郎さん、ここ埃がすごいです……二郎さん?」
返事がないから振り返ろうとすると背中を強い力で押された
「きゃあっ?!…いったー…」
おもいきり床に叩きつけられて痛い。体を起こそうとした時バタンと音と共に扉が閉まった

