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淫乱高校生
第6章 月



「二郎さん…?」

小さく呼び掛けても返事がない。暗闇で目がきかないからなにも見えない

ふつふつと恐怖が湧き上がってきた


ジャリっと靴の擦れる音が部屋に響く。多分、二郎さんだ。怖くて、急いで立ち上がってドアとは反対側に走った

さっきまで何ともなかったのに、急になんで…怖い…っ!気持ちが焦って足が上手く動かせないっ!

「きゃっ、いったぁー…」

足がもつれて転んでしまった


その間にも足音が聞こえる。こっちに向かってるのが分かる

何も見えなくて、靴の擦れる音だけが響くこの空間には恐怖しかなかった。心臓がばくばくとうるさい

少しでも距離をとりたくて、床にお尻をつけたままずりずりと後退した

トンッと背中が壁につく。唯一ある小さな窓から月の光が差し込む。足音が止まった


ゆっくりと追い詰めてきた二郎さんが暗闇から現れて、月の光に照らされた

先程までの無表情とは一転して髭に隠れてた口はいやらしく弧をひいていて、黄色い歯が見える

目はギラギラと輝いてる。獲物を見つけた肉食動物だ…
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