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粉雪のファンタジー
第1章 美しい女『雪』
『……社長……!!すみません。
待たせましたか?』


『いや悪かったな。呼び出して。
まあ座れよ。』



『……はい……』



『おまえ、
プロカメラマンに
なって何年になる?』



『……3年です……』



『……3年か……
実は来月頭に
都内で、一級コンクールがあるんだが。おまえ受けてみない?』



『……え?……
ソレッて……』



『……ああ……
おまえも知ってる
有名なコンクールだな……
入賞すると、必ず
未来が約束される
アレだよ。
3年めなら……
そろそろいーんじゃない?おまえ
実力あるし。』



『……社長……
少し考えて
いいですか…?』



『ああ。もちろん。今週末までに
返事くれよ。
一応人物か風景
限定なんだ。』



『解りました。』


『じゃあ、今日は
もういいよ。
お疲れさん!』



『失礼します。』



確かに魅力ある
コンクールだった……優勝したら、
名誉.地位.将来……全てを手に入れられる……



プロカメラマンなら誰もが取りたい賞だった……








……だけど……
俺が…?







早くはないのか?……俺は自分と葛藤していた……
だがその一方で
俺の野心みたいな
ものが生まれていた。







……雪を……
撮ってみたい……







……俺は……
この世で
雪にまさる美はないと思う。
雪がモデルなら、
このチャンスを
手に入れられる……そんな気がした。






……どうする?……賭けてみるか。
このチャンスに……






男だったら一度は、誰でもこんな直面にぶち当たる……
今がその時
なのかもしれない。


……俺が……
この世界に入って丸3年……
がむしゃらに今までやって来た。
俺は無償に
自分の実力を
試してみたくなった。



ボロボロになるか、駆け上がるか……
二つに一つの
この大勝負!!



……俺は……
戦わずして負けるのだけは嫌だった。







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