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~罪の天秤~
第2章 人の彼氏を奪う罪
「え、お前そういうの平気な人だったっけ?」

「あ~セックスのこと?もちろん誰とでも寝るわけじゃないよ?ただ雄二が浮かない顔してたから」

心の片隅で罪悪感が沸き上がる。
もちろん渡辺雪菜にではなく、雄二にだ。
知らなければ幸せでいられたのに、私のせいで知らなくてもいいことを知らされたのだから。

ま、遅かれ早かれバレてたかもしれないけど。
こんな狭い範囲内で浮気なんかしてるくらいだから。

「んだよ、お前すげえな。俺、ちょー平常心保ってたのに」

「ほとんど毎日会ってっからねー。で、どうしたの?何があった?」

「……ホテルん中入ってからでもいい?今入んなかった俺、決心鈍りそう…」

「しゃあないな~、ほら、行くよ?」

雄二の手を取り、ホテルへの入り口を開けた。
雄二と繋ぐ私の手のひらが汗ばむのが分かる。

私、もしかして緊張してる?
彼氏でもない人とエッチしようとしてるから?
それとも人の彼氏と寝ようとしてることへの罪悪感?

理由はわからないけど、今からしようとしていることは私自身未知への扉を開けるようなできごとだ。
緊張してもおかしくはないのかもしれない。


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