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~罪の天秤~
第3章 人の不幸を笑う罪
「何かね、彼氏に振られたらしいんだけど。理由が好きな子ができたからなんだって」

同じホールの女の子に尋ねたらこんな答えが返ってきた。

……っておいおい。
そんな理由で振ったんかい。
そりゃ渡辺雪菜があんな顔するわけだ。

はっきりお前が浮気したからって言えばよかったのに。
自分が悪者になろうだなんてどこまでも甘い奴。

あ……そういえば今日この後雄二と会うんだった。
絶対バレないようにしないと。

雄二とセックスしたあの日、帰り際に言われたお願いごとが「週3でやらせて?」だった。
最初聞いた時は 「は?」って感じだったし雄二にもそう言ったんだけど、「約束破るんなら大学の奴らにお前とヤッたって言うけどそれでもいい?」って脅されて仕方なく了承した。

雄二は友達と気まずくなりたくないだろ?って意味でそう言ったんだとは思うけど、私には別の脅威があった。

もちろん渡辺雪菜だ。

バレて面倒なことに巻き込まれたくないって考えからだったんだけど、その予想は曲がりなりにも間違ってなかった。
バレたら絶対ただじゃ済まなさそうだし。



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