この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~罪の天秤~
第4章 人の彼氏を誘う罪
「由梨に虐められたことあるんだ?」
「え!な、何のこと?」
「いや、もうとぼけるには遅いから」
ああ…ですよねー。
田中雅也は隣に座っていた男の子に耳打ちするとお金を渡し席を立った。
目配せをされ、少し後で私も席を外す。
外に出ると9月も後半に入っていて薄い長袖では少し寒かった。
私に気づいた田中雅也が近くの公園を指差した。
「ごめんな」
「……何が?」
「由梨のこと。本当にごめん」
「田中くんに謝ってもらっても嬉しくないんだけど?だって虐めてるのは田中くんじゃないんだし」
「……ごめん」
ベンチに並んで座りながら私は上を、田中くんは下を向いていた。
計画は自分のせいだけどぶち壊してしまった。
もう彼を落とすのは無理だろう。
「由梨に謝らせようか?」
「そんなの意味ないよ。田中くんだってそれが分かってるから悩んでるんでしょ?」
私の言葉に田中くんは黙ってしまった。
人に言われて謝ったって根本が変わらなきゃ何度だって同じことをする。
それは田中くんも気づいているのだ。
「え!な、何のこと?」
「いや、もうとぼけるには遅いから」
ああ…ですよねー。
田中雅也は隣に座っていた男の子に耳打ちするとお金を渡し席を立った。
目配せをされ、少し後で私も席を外す。
外に出ると9月も後半に入っていて薄い長袖では少し寒かった。
私に気づいた田中雅也が近くの公園を指差した。
「ごめんな」
「……何が?」
「由梨のこと。本当にごめん」
「田中くんに謝ってもらっても嬉しくないんだけど?だって虐めてるのは田中くんじゃないんだし」
「……ごめん」
ベンチに並んで座りながら私は上を、田中くんは下を向いていた。
計画は自分のせいだけどぶち壊してしまった。
もう彼を落とすのは無理だろう。
「由梨に謝らせようか?」
「そんなの意味ないよ。田中くんだってそれが分かってるから悩んでるんでしょ?」
私の言葉に田中くんは黙ってしまった。
人に言われて謝ったって根本が変わらなきゃ何度だって同じことをする。
それは田中くんも気づいているのだ。