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~罪の天秤~
第6章 私は新たな罪を犯す
時間が早いのもあって私とタカシくんはロッカールームの床に座り込んだ。
タカシくんはipodから流れている音楽を片耳だけイヤホンで聞いている。

「もしかして彼氏さんのことだったりします?」

言われて浮かんだのは雄二の顔だった。
今、どうしてるのかな。
私にしたようにあの子にも触れているんだろうか。

想像しただけで胸が苦しかった。
自分が犯した罪の重さがのしかかる。

「違うよ。私、彼氏いないし」

「そっか。それなら良かったっす。もう浮気とかさせられんの嫌だったし」

思わず彼の顔を見た。
表情は読めなかったけど渡辺雪菜のことを言っているのは分かる。

「何で……あの子と浮気したの?」

今度はタカシくんが私を見る番だった。

「やっぱみんなにもバレてましたよね?俺と雪菜さんのこと」

私が無言で頷くと、タカシくんは盛大にため息をついた。
茶色い髪は犬みたいだと思った。

「もう言い訳にしかならないんですけど、俺最初は彼氏がいるって知らなかったんですよ。歳とか俺とタメの奴いないし、フリーターも俺だけだし。だから途中で彼氏いるって聞いた時はあちゃーって思いました」


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