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~罪の天秤~
第8章 制裁の始まり
「何となくそう言われるかなぁとは覚悟してました」
「……ごめん」
「何で謝るんすか?人の気持ちって変えようと思って変えれるもんじゃないでしょ?仕方ないっすよ」
諦めたような笑い方に私は小さくなった。
覚悟はしてたけど、どれだけ自分が酷い人間なのかを認識していたたまれなくなる。
「だから俺、気持ちを変えようなんて思ってないんです」
「……タカシ、くん?それはどういう…」
「雪菜さんの弱味、もういらないんすか?」
にやりと笑うその口元がいやらしく歪む。
今までに見たことのないその笑顔はタカシくんのイメージをガラガラと崩していった。
「俺が知らないと思ってました?だって浮気相手ですよ?あの雪菜さんの。雪菜さんがあんたを虐めてたのも知ってたし、俺に近付いたのも多分弱味を握るためなんだろうなぁって予測できるでしょ」
最初から……最初から気付いてたんだ。
最初から気付いてて知らないふりをして陰で笑ってたんだ。
怒りで体が震えそうになるのを堪えた。
だって私はタカシくんと同じくらい酷いことをタカシくんにしていた。
人に文句が言えた筋合いじゃない。
「……ごめん」
「何で謝るんすか?人の気持ちって変えようと思って変えれるもんじゃないでしょ?仕方ないっすよ」
諦めたような笑い方に私は小さくなった。
覚悟はしてたけど、どれだけ自分が酷い人間なのかを認識していたたまれなくなる。
「だから俺、気持ちを変えようなんて思ってないんです」
「……タカシ、くん?それはどういう…」
「雪菜さんの弱味、もういらないんすか?」
にやりと笑うその口元がいやらしく歪む。
今までに見たことのないその笑顔はタカシくんのイメージをガラガラと崩していった。
「俺が知らないと思ってました?だって浮気相手ですよ?あの雪菜さんの。雪菜さんがあんたを虐めてたのも知ってたし、俺に近付いたのも多分弱味を握るためなんだろうなぁって予測できるでしょ」
最初から……最初から気付いてたんだ。
最初から気付いてて知らないふりをして陰で笑ってたんだ。
怒りで体が震えそうになるのを堪えた。
だって私はタカシくんと同じくらい酷いことをタカシくんにしていた。
人に文句が言えた筋合いじゃない。