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~罪の天秤~
第8章 制裁の始まり
「あの子も知ってるの?」

「ああ、共犯かってこと?あんたが俺に近づいたことは知ってますよ。バイトでも俺らが前より話すようになったの他の奴らが見てるでしょうし」

コーヒーが入ったマグカップを傾けてタカシくんはそれをこくりと飲んだ。
私も同じようにマグカップを傾ける。
見た目によらずブラックは飲めないと言っていたのでミルクや砂糖の甘い香りが漂ってきた。
雄二は逆にブラックしか飲めないからそこも二人は対称的に見えた。

「けど俺は雪菜さん側についてるわけじゃないですよ?浮気相手も今は解消してるし、あんたが望むなら雪菜さんの弱味をあげてもいい」

本当……だろうか。
相変わらず真っ直ぐに見つめてくる瞳は嘘をついているようには見えない。
だけど雄二には何もせずに待ってろと言われている。
もうこれ以上罪を重ねるなんてできない。


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