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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
夏のデートといえば!
そのありがちな質問をひとり考えてみた時に、
華子の頭に浮かんだ定番は、
花火大会や夏祭りだった。
安直であるが、浴衣でのデートに憧れて。
陽輔との花火大会を夢みていた華子。
有言実行(ちょっと違う?)――浴衣を購入してしまえば、花火大会に行くしかないじゃない?と、
先月近所の呉服屋で新しい浴衣を新調してしまった。
―――勿論、陽輔の分も一緒に。
先月の末に、
仕立て上がって来たその二着の浴衣は、
実家から借りてきた衣紋掛けに掛け、寝室に吊るしてある。