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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
前の日だったら陽輔は休みで、一緒に花火大会に行く事が出来たのに。
七夕様の短冊に一生懸命お願いした筈なのに、
織姫様も彦星様も何で叶えてはくれないのだろう。
そう言えば…旧歴の七夕は雨予報だった。
逢瀬が叶わない二人に、自分達の幸せを邪魔されてるのかなぁ、なんて。
八つ当たりにも似た気持ちが、華子の心にムクムクと湧き上がりその心を占めていく。
―――ほんと、タイミング…あわない!
勤務表に書かれてる、夜勤の開始時間の19:00と言う数字が華子の気持ちを沈ませる。
もちろん花火大会なんて無理なお話。
―――お仕事だもん。仕方ないよね…。
そして、また一つため息がこぼれるのだ。
行きたいと駄々を捏ねられるほど、自分は若くは無い。
陽輔の休みに合わせて有休を――と思わないわけでもないけれど。
でも、そんな時に限って、華子の仕事も立て込んで来ていているのは、やはり神様の悪戯だろうか。
―――今は有給…取れないもん。