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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
帯の結びは色々あれど、
基本不器用な華子は基本の文庫結びしか出来ない。
でもそれだって十分可愛いもん――そう自分を励ましつつやっとのことで結び上げ、耳元に沈丁花の香りの練り香水をさっとつけた。
―――ようちゃん、気付いてくれるかな?
出来た!
ちょっとだけ、いつもと違う雰囲気を演出して、出来映えはどうかな、なんて。
後は全身を姿見でチェックするのみ、そうウキウキした気持ちで―…。
―――バン!
そのタイミングと同時に、
勢いよく開け放たれた脱衣所のドア。
驚いて、あわててそちらの方を向けば、
開け放たれたそのドアの向こうに仁王立ちしているの陽輔の姿があった。