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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
「華子!大丈夫―――‼」
「ダメ、ダメ!ようちゃん!まだ―――‼」
「「――――!! 」」
陽輔の前では、まだ浴衣姿を披露した事が無い華子。
やっぱり、好きな人の前では可愛らしく装いたい…そう思うのが女性の心理で。
和装なんてこんな機会が無いとなかなかできない。
打ち上げ花火は華子が大好きなものだったし、
華子の中では花火と浴衣が結びついていているから尚更―――。
初めて陽輔に見せる浴衣姿には、特別な思い入れがあった。
―――ようちゃんに素敵だとそう思って欲しいから、最後にちゃんと確認……したかったんだけど、な。
でも。そんな華子の乙女心を吹き飛ばすぐらいに。
開け放たれたドアの先――その陽輔の姿に華子の視線が釘付けになってしまったのだ。