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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
人がいない時と溢れている時では、同じ距離でも体感する距離感が違うようだ。
人混みに溢れる中の500mは、実際より随分離れているように感じ、ただでさえ少しそそっかしい華子の気持ちはいつもより急いていた―――テンパっていたというべきか。
そんな華子が、急いで陽輔のもとに戻ろうと小走りで駆け出した…その時だった。
――ドンッ
軽い衝撃が華子を襲った。
人混みの中だからこそ、前後左右に気を付けないといけないというのに、華子は背後を気にせずに勢い良く振り向いて。
焦った余り人の流れとは逆の方向へ駆け出そうとしたのが仇となって、勢い余って後の人にぶつかった。
「すみません!ごめんなさいっ!」