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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
持っていたペットボトルのお茶が、手から滑り落ちて。ゴロゴロと地面を転がっていく。
(もう!急いでるのに…私ったら!)
「おい、ねぇちゃん。いったい、何処に目えつけて歩いてんだよ!」
ぶつかったのは自分がちゃんと気をつけなかったせいだから。
早く謝ってしまおう―――そう思い、ぶつかった相手の顔を良くみもせずに、深々と頭を下げた華子の頭上から、低くドスの聞いた声が響いた。
―――――!!
その声にビクッとして、華子は恐々頭をあげる。
そこには、華子を目付きの悪い目で睨みつけている、柄の悪そうな強面の男が立っていた。