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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――お茶を買いに行っただけのはずなのに、30分は時間が掛かり過ぎだろう?
(やっぱり1人で行かせるんじゃ無かった――)
そう後悔しても後の祭で、華子のスマホに何度掛けても繋がる気配はなかった。
華子は「大丈夫~!私モテないもの」なんて笑っているけど、それは華子に自覚が足りないだけである。
他の奴にはどうあれ自分にとっては一番可愛い女で、柔らかな人懐っこい笑みで人の懐に入りこむ華子は人に嫌われることが少なかったし、陽輔の周りの男どもには人気があった。
そもそも華子は自分の魅力に気付いていない、天然な奴なのだ。
なのに。あんな浴衣姿―――あの装いで一人はヤバイだろ。
あれは、ナンパして下さいって言ってるようなものだった。