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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
その泣きじゃくる少女の姿を見たとたん、さっきまで怯えていた強面の男のことなどすでに華子の眼中に無くなってしまう。
―――花火大会に浴衣。
年齢は随分違えども同じ女性だ。
おしゃれをしてうきうきしてしまう気持ちに歳なんて関係ない。
自分のせいで哀しそうに瞳を濡らしている少女に申し訳ない気持ちが華子の心に溢れて。
目の前の泣いている少女に向かってしゃがみ込んだ。
「ハンカチで綺麗にするね。」
華子は巾着からハンカチを取り出すと、少女の浴衣に付いたイチゴシロップを丁寧に拭いていった。
でも、女の子が咄嗟に手で擦ったその染みは、白い浴衣に染み込んでしまって、なかなか取れない。
「うわぁぁぁん……‼」