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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
「さやちゃん、ほら泣かないでー。
パパが、りんごあめ買ってあげるからね?綿あめがいいかな?」
愛らしい少女とは似てないが、さっきぶつかった強面な男はその少女の父親のようだった。
更に大きくなる泣き声に、華子達の周りに人だかりが出来つつあり、その人だかりの輪の中、何とか少女を泣きやませようと焦った男のねこなで声が響いている。
さっきの剣幕とは裏腹に、泣いてしまった娘の姿にオロオロする父親は、強面のその姿に似合わない。
泣き止まない娘に、必死に優しい言葉を掛けてなだめているけれど、一向に泣き止む気配は無かった。