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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――手首、怪我をしている?
陽輔は、華子が庇って隠そうとした側の肘をすばやく軽く掴むと、そのまま自分の目の前に掲げた。
花火の明るさに照らされたそのその華奢な手首は、陽輔が強く握ったせいで赤くなっていた。
―――まだ、手首にはまだ触れてはいないのに…。
痛そうな華子の右側の手首を、さらに調べようと、華子の躰を一旦起こす。
その時…その口から、またついて出た小さな悲鳴。
それは、華子が他にも何処か怪我をしていることを示していた。
「華子…お前、他に何処か――…。」
躰を真っ直ぐにした筈なのに、華子のその躯は少しだけ不自然に左に傾いている。