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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――何で傾いてるんだ?
その不自然な傾きが気になった陽輔が、原因をさぐるように傾いた躰の線を辿って行く。
重心を左に移すようにしながら立っている華子は、右膝を少し曲げていた。
右足の親ゆびと人指し指の間。
その二本の指の股が、鼻緒で擦れたのだろう。赤くなって水ぶくれが出来ている。
足を浮かすようにしているのは、そちらに荷重しないように庇っている為に違いなかった。
「…ったく、はな!。何で早く言わない。」
陽輔の吐き捨てるような言葉に、華子の小さな肩がビクッと震えた。
思わず大きな声を出しまった陽輔だったが、それは華子の足を心配してに他ならない。