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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
初めて陽輔におんぶされた華子。
その目線は陽輔より高く、いつも何気なく見ている風景がまた違って見えた。
―――ようちゃんの背中…。
華子はその温もりに、ぴたっと頬をくっつけてみる。
怒っている筈なのに、じんわりとその背中から伝わってくる陽輔の背中の温もりは優しかった。
その背中をもっと近くに感じたくて、華子は陽輔の首に回した腕に力を込める。
「ようちゃん、ゴメンなさい…」
その温もりに背中を押されて。
華子は小さくそう呟くと、陽輔のうなじに顔を埋めた。
華子の謝る声が首の後ろから小さく聞こえて。
柔らかな華子の吐息が、陽輔の首筋をくすぐるたびに、陽輔の庇護欲を掻き立てる。
華子を傷つけたい訳じゃない。
俺は、華子を守りたいだけなのに――…。
なんで上手くいかないんだろう。