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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
―――ヒュゥゥゥゥゥ~………
「あっ!ようちゃん、花火上がった!」
華子が指を指す方をみれば、音を立てながら夜空の上の方に向かって伸びていく花火の種。
……ドドォォーンッ
一際大きな花火が大きな大輪の花を咲かせた。
その鮮やかな光にの花に華子を背負っていた陽輔の足は止まる。
花開いたその後に、しだれ柳のようにきらきらと線を描いて流れ落ちる花火の姿に、二人は目を奪われてしまう。
スターマインの賑やかな音と光。
息つく間もなく、数か所からシンメトリーな奇跡を描きながら、鮮やかなシンフォニーを奏でる花火達。そのゴージャスさはこの花火大会の最後のトリであろう華やかさだった。
「綺麗―――!」
陽輔と一緒に見たその花火はとてもとても綺麗で美しくて・・・。
それは、この夏一番の花火として華子の心に残ったのである。