この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて
細い足首の先にある小さな足。
傷ついた患部に目をやれば、そこは赤く擦りむけ、水ぶくれになっている。
明るい部屋のもとでみるその怪我した場所は、外で見た時より酷く痛々しくて。
それは、自分に引きずられるようにして歩いて来たせいだ――そう思えば、陽輔の心は華子に対し再度すまないという気持ちが沸き起こってくる。
「華子…ちょっと待ってな。」
そういって、洗面所に向かった陽輔。
蛇口から流れる水を眺めながら、陽輔は華子を強引に引っ張り歩いてきた原因に思いを馳せた。