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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと
“ようちゃん”
その愛しい名前呼びたくても、華子の声は音を為さない。
―――陽輔の元に届かない声。
名前を呼べないもどかしさから、声のする方へ伸ばしたその手を包んでくれた陽輔の手を。
その手を華子は離したくなかった。
まだ夢の中のような心持ちの中で、掴んだその手――そして気付いた酷い喉の渇き。
植物が水を吸い上げるように躯に染み渡っていく水分と徐々に目覚めて行く意識。
陽輔からのキス。
その冷たくて甘い口づけに、ハッキリと目覚めた華子の意識。
その甘いキスに夢中になり陽輔で満たされて――…。
「…ダメ、ダメ!ようちゃ…!」
そんな甘い雰囲気が漂うなか、キスから先に進もうとする陽輔の躯を、華子はまだ余り力のこもらない両手で押し返した。